中南米の音楽―歌・踊り・祝宴を生きる人々
という本が出版されました。
中南米諸国全般が紹介されてあり、ブラジルは「ムジカ・セルタネージャ」が取り上げられています。
執筆は『サンバの国で演歌が流れる』の細川周平さん。細かな資料の検証が素晴らしい!!
現在、ムジカ・セルタネージャは全ブラジル音楽売上の60%以上を占めています。
各関係者も現実から目をそらせないで欲しいものですね。rsrsrs
バンダ・カリプソ(パラー州の音楽)入門 第1回
最近、「バンダ・カリプソ」で検索数が増えているようです。ベストセラーとなっている書籍「フリー」でブラジルの大人気バンドと紹介されたからでしょうか?
2000年代にブレイクしたブラジル音楽のTOP5に入るバンダ・カリプソが、今もなお日本においてきちんと紹介されていない現状を嘆くと同時に、今一度バンダ・カリプソが何故ブラジルで売れているのか、ここで改めて紹介したいと思います。
まずは、バンダ・カリプソを紹介する前に彼らを生んだ、パラー州ベレンの音楽を紹介。
ベレンの伝統音楽といえばカリンボー。アマゾン川クルーズでも観れます。
スカートを追って踊るダンスステップが特徴です。ファファ・ヂ・ベレンも良くやってますね。
このカリンボーをポピュラー音楽としてまとめあげたのがピンドゥッカ。デビュー以来40周年。フォホーでいうルイス・ゴンザーガ、ボサノヴァならジョアン・ジルベルト的立ち位置です。
ギターのフレーズが特徴的ですが、これは「ギタハーダ」といいます。こんな感じでインストでもやります。
アマゾン川の河口の街として知られるベレンは昔からカリブ海諸国との貿易が盛んでした。音楽も国内産の音楽よりむしろ海外の音楽が好まれていたようです。
(ベレンでもサンバは聴かれてますが、リオデジャネイロ賛歌の歌詞ばかりでは閉口ですしね。)
特に盛んだったのがクンビアやスカ、レゲエ、そしてロカビリー。このあたりがぐちゃぐちゃに混ざり合って出来たのがブレーガというジャンル。ブレーガがインテリ層からは下品な音楽と思われていますが、大衆層では圧倒的に支持されています。
これはブレーガの代表的アーティスト、ネルシーニョ・ロドリゲス。
そういえば「ランバダ」という音楽が昔流行しましたが、あれの言葉の元ネタはブレーガです。オリジナルはこんな感じです。(世界でヒットした「ランバダ」という曲はボリビアの民謡をフランスで作られた多国籍ユニットがカヴァーしたものです。)
このブレーガ、90年代に入るとズークやメレンゲ、カリプソなども吸収して更にパワーアップしてきました。お笑い系エッセンスも取り入れたファルカォンが大ヒットしたのもこの頃。
この頃、急速に人気を獲得していたのがバンダ・ファゼンド・アルチというグループ。ここで歌っていたのが後に大ブレイクを果たすバンダ・カリプソのジョエルマでした。
こういうのを「アホっぽい」とか「音楽的価値が無い」と切り捨てるのは簡単なことですが、せっかくブラジル音楽に興味があるのなら、なぜこういった音楽が大衆に支持されたのか、そういった視点で聴いてみましょう。ベレンという熱帯地域においてこのような音楽が自然発生したことを紐解いていけば、「ブラジリダーヂとは何ぞや?」という心の疑問も一つステップアップするのではないのでしょうか?
以下、次回。
ジビア・ガスパレット/永遠の絆
春先にブラジル人作家の小説の日本語版が出版されていたようです。
全く知りませんでしたが、ふとした偶然で入手しました。
ブラジル人はこういう話好きですからね(笑)。
ジビア・ガスパレット/永遠の絆
出版社: ソフトバンククリエイティブ (2009/3/28)
発売日: 2009/3/28
夜明けの静けさのなか、小さな家の窓辺に横たわるのは、重い病にかかり、わずか14歳で死を迎えようとしていたニナだった。彼女を包みこむように、空から降りてくる光…。貧しい家庭を支えるため、毎日必死に働きつづけたニナ。彼女が死ぬことは、貧困にあえぐ家庭を、さらに窮地に追い込むことになる。だからいま死ぬわけにはいかない、なんとか自分をここに残してほしいと懇願するニナだったが…。少女の転生を通して語られる、珠玉のスピリチュアル・ラブ・ストーリー。
Rabadas Cinema Clubeのタイムテーブルが出ました。
トリでした。まあごゆるりと!!
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17:00 Open
17:00-18:00 Lounge DJ
18:00-18:40 Musica ao Vivo ~ Arthur Vital
19:00-19:11 Cinema 1:Engano (11")
19:12-19:27 Cinema 2:Tarantino's Mind (15")
19:27-19:27 Rest
19:37-19:57 Cinema 3:Jaqueirão do Zeca(20")
20:00-20:40 Musica ao Vivo ~ Motallica+Meri
20:40-21:20 DJ Tadatomo Oshima
21:20-22:00 DJ Antonio Yodobashi
22:00-22:40 DJ Willie Whopper
22:40-23:00 Lounge DJ
世界の車窓からDVDブック No.29(ブラジル・キューバ)ラテンアメリカ情熱の旅
本がおまけかDVDがおまけか分かりませんが、60分弱の映像が付いたDVDブックが発売されました。
リオのサンタテレーザの路面電車ややミナスのマリアフマッサなども収録されているようです。
ブラス・クーバスの死後の回想
没後100周年を記念し遂に発刊!!
日本での単行本は2002年に出た「ドン・カズムーロ」に続く2作目か?
ブラス・クーバスの死後の回想
著者:マシャード・デ・アシス
定価:3990円
出版社:国際語学社
自殺未遂のサンバ、工場夜勤のボサノバ-在日ブラジル人の音楽
おもしろそうな講座を発見。
と思ったら事前予約が必要みたいです。
大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター主催 市民アカデミア
第2回 11/10(月):自殺未遂のサンバ、工場夜勤のボサノバ-在日ブラジル人の音楽
講師:アンジェロ・イシ(武蔵大学准教授)
〈講義内容〉
この講義のねらいは、在日ブラジル人による音楽活動・芸能活動の分析を通して、「移民の心」を読み取ることである。とりわけデカセギ移民のパイオニアが作詞作曲した音楽を重視する。バイリンガルで日本人にも理解可能な作品づくりを試みるグループにも注目する。また、音楽に限らず、映像表現者にも若干言及したい。一方、今年は日本ブラジル移民百周年でもあるので、ブラジルにおける若い世代の日系芸能人の活動にも注目してみたい。彼らのキャリア戦略とエスニック・アイデンティティに関する考察は、日本における日系ブラジル人の表現者との比較材料としても有効だと思われる。
〈講師プロフィール〉
サンパウロ市生まれ、サンパウロ大学ジャーナリズム学科卒。1990年に日本に留学、新潟大学大学院および東京大学大学院を経て、ポルトガル語新聞の編集長を3年間務めた。日伯の移民やメディアを研究する傍ら、ジャーナリストとしても活動。また日本の各地で日本人市民やブラジル人住民を相手に国際交流や共生をテーマに数多くの講演をこなしてきた。2004年より武蔵大学専任講師、2007年より同大学准教授。著書に『ブラジルを知るための55章』(明石書店)、『エスニック・メディア』(明石書店、共著)など。
より以前の記事一覧
- ネオ・トロピカリア ブラジルの想像力 2008.11.03
- アマゾニア展 生命(いのち)の森、アマゾンの危機と未来 2008.11.02
- 『ボサノヴァについて今語られるべき全てのこと』 2008.10.23
- 丁子と肉桂のガブリエラ 2008.10.19
- ブラジル映画祭ト-クショー 2008.10.08
- ジャパンブラジルクリエイティブアートセッション 2008.08.21
- ブラジル日本交流協会2009年度研修留学生の募集のお知らせ 2008.08.20
- ブラジル(イラスト会話ブック) 2008.07.03
- Revista Mais Brasil edição 3 2008.04.10
- ベルリン映画祭でブラジル映画がグランプリに!! 2008.02.18
- 一橋大学で 2008.01.15
- Nippo-Brasilでムジカ・モデルナが紹介! 2007.08.10
- IGOR SHINZATO HIGA パンデイロ ワークショップ 2006.12.01
- 「Música Moderna(ムジカ・モデルナ)」本日発売!! 2006.08.23
- 「Música Moderna」遂に発売!! 2006.08.18
- Banca No.4 2006.05.15
- Banca No.4 2006.04.20
- Noite do Forroの時に 2006.04.18
- made in Japan 2006.01.22
- Novo Dicionario 2006.01.19
- ポルトガル語講座 2005.12.19
- 大邸宅と奴隷小屋 2005.03.19
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